公立保育園は毎年4月から入園が始まります。ところが待機児童が多い保育園激戦地域では、4月だけで定員が埋まってしまい、年度途中の入園はとても難しくなります。そのため、ワーキングマザーは復職時期を4月入園に合わせなければならず、育児休業期間を短縮する場合が多いのです。子供の月齢が小さく、もうしばらく自分で育てたいと思っても、保育環境が許してくれません。
そんな中、東京都品川区は区立保育園に毎月入園できる定員枠を新設することを発表しました。2月6日の日本経済新聞(朝刊)によると、従来の定員枠(約3500人)に、約130人の特別枠を設け、毎月の受け入れに備えるとのこと。毎月入園は、「公立保育園では全国初の試み」(浜野区長)だそうです。希望者全員というわけではありませんが、子供の成長に合わせて入園時期を決められるようになるのですね。


また、入園希望時期は出産前後に予約できるそうですので、早いうちに復職スケジュールを決めることができます。保育園激戦地域では、公立保育園を確保することは大変なことです。私が住んでいる地域も激戦地域ですが、「公立保育園に入るため、偽装離婚した人がいる」という噂が流れるくらいです。近所の育児休業中のワーキングマザー達は、「保育園が決まるまでは不安で仕方なかった」と声をそろえます。ワーキングマザーが安心して育児に専念するためには、早めの保育園確保は欠かせないのです。
いくら企業が育児休業を取得しやすい環境を整えたり、育児休業期間を延長したりしても、子供を受け入れる保育園がなければ意味がありません。ワークライフバランスは、企業と自治体の足並みが揃わなければ進まないのです。他の自治体も、入園時期の弾力化など、ワーキングマザーのニーズに沿った施策の導入を検討していただきたいものです。