子供の長期休み。旅行のチャンス!と気分は盛り上がりますが、毎日旅にでるわけにもいきません。
子供が小学生くらいだと、一人で家に残すのも心配になってしまう昨今です。
いっそのこと親ももっと休みが増えて、普段働いている分、長期の休みには子供とたっぷり過ごすことができたらどんなにいいことかと夏休みに思った方もいらっしゃったのではないでしょうか。
2007年10月11日付け読売新聞夕刊に、みずほ情報総研主席研究員藤森克彦さんの【英国流「仕事と生活の調和」】という興味深い記事が掲載されていましたので、ご紹介したいと思います。
記事によれば、そんな理想の働き方を、英国企業の14%が提供しているそうです。
子供の学校の学期中のみ働いて、夏休みになれば親も休むという形態です。(2004年英政府調査)
1990年代半ばから景気拡大が続き、多くの企業が人手不足に悩んだ結果、人材確保の意味もあって働き方の選択肢を増やしたとのこと。
労働者としては「ワーク・ライフ・バランス」が充実するのはうれしいことです。でも、経営者にとってはどうなのかなということも気にかかります。


英政府では在宅勤務によって新規採用コストを年500万ポンド(約12億円)減らした大手電話会社などのワークライフバランスの成功例をまとめて、他の企業に伝えるといった取組みをしているそうです。その成果もあるのか、2003年の英政府調査では事業主の94%が「仕事と生活の調和がとれたときに、社員は最もよく働く」と答えていると藤森さんは伝えています。
ワーク・ライフ・バランスがとれた状態が経営者にとっても労働者にとっても一番いい、こんなコンセンサスが日本でももっと広がってきたらいいなと思いました。
実感としても仕事と生活が調和した時にもっともよく力が出せると思いますし、新規採用にかかる金額や時間を考えたら、せっかく採用した人に長く力を出し続けてもらうのが一番だろうとも思います。
そして、子供の長期休みは親も一緒に休めるというのは、大胆だけどかなりいいワーク・ライフ・バランスになりそうな予感がします。
普段子供と顔をあわせる朝と夜は、かなり慌ただしく、食事を食べて、用事をすませているうちにばたばたと過ぎ去ってしまいがち。
長期休みを親子で過ごすことができれば、一緒に体験できること、話せることもたっぷりできて、親にとっても子にとってもかけがえのない時間が過ごせそうです。
純粋な生活者に戻った親が、仕事に戻った時新たな発見をするかもしれません。ビジネスにもよい影響をもたらす休み方、働き方を工夫していける社会になればいいなと思いました。