10年ほど前までは、買い物は店頭で買うかカタログを見ての通信販売が
 ほとんどでしたが、今、実店舗で購入する機会はずいぶん減っています。
 食料品や日用雑貨のように、こちらに商品知識がある場合は、
 ネットショップはとても便利です。
 野菜や果物なら、旬をあたれば美味しい品が格安で入手できるし、
 日用雑貨なら「どこのメーカーのこの品物」と決めている場合、あとは
 値段が決め手。
 ところで、ネットか実店舗か購入手段を迷う場合もまだまだ多いです。
 たとえば、今、購入を考えている小型ノートパソコン。


 高額商品なので、使用者のレベルや目的に応じた機種をしっかり選びたい。
 具体的には、大学生になった子が学校と家の両方で使用でき、授業で使う
 ソフトが入っているものを探しているのですが、スポンサー(親)と
 使用者(子)の双方が納得できる買い方をするには──と、思案中です。
 メーカーサイトにも説明は記載されているのですが、商品知識に自信がない
 ので、実店舗で直接(やさしく・丁寧に)説明を受けたい。
 家族や親しい友人のサポートが期待できない場合は、実際の現場にいる人の
 買う側にたった親身な解説が購入の頼りになるのです。
 商品知識アリともナシともいえない、中間はどうか。
 同じく、購入を検討中の掃除機。最近の技術について少し知っているので、
 まずネットで機種を絞り込み、クチコミを検索。
 販売サイトにリンクが貼ってある場合も多いので、価格の比較も容易です。
 配送料が高くつく場合もありますが、実店舗に出向く時間がもったいないし
 お目当ての商品群が品揃えされているとは限りません。
 また、家族と一緒だと余分な出費も生じます。そんなことを考えると、
 ネットショップの利便性に軍配があがります。
 このように、どの買い方が一番納得できるか自分なりに模索しています。
 ネットショップはたしかに便利──なのですが、
 私にとっては、まだ100%ではないのです。
 昭和が平成に変わる前後に社会人となった私(筆者)たちは、
 勉強や仕事でパソコンを使用することが当たり前ではなく、
 アナログベースの仕事に慣れたころに、パソコンやネット環境が徐々に
 整ってきた世代です。
 比較的抵抗なくパソコンに接している私でさえ、正直にいうと、
 「(何でもデジタルって)大丈夫かしら?」という不安が多少あります。
 実際、同世代のパソコンやネットとの距離感覚は人それぞれです。
 さらに上の世代は、よりいっそう千差万別ではないでしょうか。
 すべての人にわかりやすく、使いやすい店作りを。
 ネットショップ隆盛期、これからも新しい店舗・サービスがどんどん
 増えていくと思います。
 品揃え、価格のほかに、顧客の立場にたった説明、親しみ、さらに信頼を
 どう消費者に示していくか。そこが“行列ができるネットショップ”に
 なるかどうかの分かれ目ではないでしょうか。