偽装、混入、不安…。
「食」を形容する言葉としてはおよそふさわしくない表現にも見慣れてしまった今日この頃。
ニュースを見れば、また発覚した事件とともに、
「家族に何を食べさせたらいいのでしょう?」と、困惑する一般消費者の困惑した顔が映し出されます。安全なもの、疑いのないものを購入できるのが消費者の権利なのに、それが保障されないなんて──
家族の食をあずかる家庭の主婦として、まったく同感です。
がしかし、疑心暗鬼の方向に傾きがちな世論の流れにも窮屈さを感じています。
安全・安心は大事なことですが、食の楽しみをもっとシンプルに味わいたいのです。


自宅近くには、様々なスーパーやショッピングセンター、デパートがあり、
食材は多種多様、選び放題です。
特売がウリの店から高級食材を取りそろえた店まで、どちらも利用しますが、
最近、注目しているのは、郊外の農産物直売所。
昔のささやかな野菜無料販売のスタンドとは異なり、
スケールアップして大集客拠点となっているところもあるのをご存じでしょうか?
のどかな田園地帯の国道が駐車場入庫待ちの車で渋滞、店内はお祭り並み。
私が月に一回程度訪れる直売所も、休日は大混雑です。
人気の理由は、なんといっても「シズル感」。080925_yasai.jpg
山積みになった野菜や果物の、みずみずしさ、新鮮さ、ジューシーさは、清潔なトレーに入って整然とならんでいる売り場にはない感覚です。
それから、一般には見かけないめずらしい野菜で、試験的に作られたものには、
遠慮がちな値段がつけられていて、購入欲・食欲をそそります。
また、地元で取れた米、雑穀、味噌やジャムなどの加工食品には、
生産者の名前が記されていて、まるで「おばあちゃんの畑と台所」からきたような感じ。
大規模なところでは、地元以外の産品が並べられている場合もあって、
品揃えを考えてのことだと思いますが、ここは素通り。
「その土地の生産者による産物」からこそ、なのです。
農産物の品質ですが、私が利用する直売所(3ヶ所)に関しては、満足です。
規格外だから・旬で大量に取れるから安いということが、
わかりやすく商品に反映されているのもいいと思います。
高価なガソリン代を払ってわざわざ出向くのには、環境面でも
ちょっぴり矛盾も感じてしまいますが、生産拠点にあるから、直売所なのですね。
安全、安心だということに過度に意識を向けることなく、
「あ、おいしそう! 食べてみたい」と、シンプルに思える機会。
買う瞬間から食べる楽しみを味わえる、このような試みが今後も健全に育つことを願います。