「子どもを有害情報から守るため、小中学生が携帯電話を持たないように保護者や学校関係者に政府教育再生懇談会が協力を求めた」というニュースが先日報道されました(2008年5月27日 読売新聞)。
携帯電話やインターネットを介したいじめや犯罪は子どもの世界にも急速に広がっていて、このままではいけないと誰もが思っていたのではないでしょうか。便利だからとむやみに子どもに携帯電話やインターネットを与えるのには反対… これは、私も全く異論はありません。でも、だからと言ってその対策が「持たないように」というのは、なんだか極端すぎて「それって対策なの?」と突っ込んでしまいました。
いっそのこと「お酒とタバコは20歳から、携帯電話は16歳から」とか言ってくれたほうが、まだ議論の余地があるというものです。
この教育再生懇談会の方針からは、「携帯電話と有害情報の問題は、結局は使う側の責任」という考え方が透けて見えるような気がします。確かにどんなに制限をかけても、それをくぐり抜けて有害サイトがはびこってしまうという、いたちごっこの状況には変わりありません。けれど、「だから持たせるな」が問題解決の1番の手段なのでしょうか。
「使用上のご注意をよく読んでお使いください。」とは、さまざまなCMで繰り返される言葉です。消費者に使用上の注意喚起を促すのは、企業にとって重要な任務だと思います。しかし、これはそれ以上に事故や問題の起きない商品やサービスの開発努力があってこその文言だと思うのです。
もちろん、教育再生懇談会は携帯電話のメーカーではありませんから、直接的な企業努力ができるわけではありません。でも、「子どもを守り、育てる」ことを掲げている会の報告が「持たせるな」では、がっかりを通り越してぼうぜんとしてしまいました。
小中学生と携帯電話、みなさんは、どう思われますか?
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