親ならば「わが子のクラスは人数が少ない方がいい」と考えるでしょう。生徒数が少ないクラスほど先生の目が行き届きます。そして、少人数学級は学力向上や不登校、いじめ防止に有効とされています。小学校で40人学級の担任をしている知人は、「今の生徒数では、とにかく授業を進めるだけで精一杯。生徒数が5人少なくなれば、ついてこられない生徒のフォローもできるし、生徒の生活面まで気を配れる」と話していました。
1月21日付の日本経済新聞(朝刊)によると、義務教育における少人数学級編制は拡大の傾向にあるそうです。2007年度には東京都を除く46都道府県が実施。そして日本経済新聞社の調査によると、少人数指導を含めた少人数教育は、16府県が来年度以降も拡充する方針だそうです。


義務教育標準法では、小中学校は1学級40人が基準とされています。基準より少ない生徒数にすれば、当然より多くの教室、教員が必要となります。しかし少人数学級編制への国の負担は全額ではないことから、実施する自治体の負担は大きいのです。
残念なことに少人数学級編制を実施している自治体の中には、見直しをしている所もあります。山形大学の長南博昭教授は、「自治体の財政事情で今後、少人数教育をめぐり格差が広がる恐れもある」と話しています。義務教育まで地域格差が始まっているのですね。
自治体にとって少人数教育の実施は、財政負担増というだけでなく、子育て世代を呼び込めるというメリットもあると思います。ぜひメリットの部分をよく検討し、きめ細かい教育環境を整えていただきたいものです。