2006年の内閣府による「男女の働き方と仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する調査」(PDF)によると、既婚の就業者達は、「仕事も家事もプライベートも両立させたい」と考えているけれども、現実は「女性は仕事と家事優先、男性は仕事優先」。
この結果から、ワーク.ライフ.バランスの実現は難しいことがわかります。特に女性は「仕事 OR 子供?」の選択を迫られるケースが多いのが実情です。この選択は社会にとって、「少子化をすすめる OR スキルを無駄にする?」という選択でもあります。どちらにしても実にもったいないことですよね。私は子供をとりました。そして現在、ワーキングマザーの道を模索中ですが、なかなか厳しい状況です。
そんな中政府は、少子化対策、労働生産性の向上等を目指し、仕事と家庭・地域生活の両立が可能なワーク.ライフ.バランスを実現することを目的とする「ワーク.ライフ・バランス憲章(以下、憲章)」と「働き方を変える、日本を変える行動指針(以下、行動指針)」を今年中に策定する予定です。まだ検討段階ですが、現在公表されている中で最新の「第4回働き方を変える、日本を変える行動指針(仮称)策定作業部会(平成19年10月18日)」で示された憲章案、行動指針案を見てみました。
ワーク.ライフ・バランスを実現するには、国民、企業、地方自治体、国が協力しなければなりません。そのため憲章では、ワーク.ライフ・バランスの必要性を整理し、実現後の社会の姿と実現のためにそれぞれが果たすべき役割を示しています。
ワーキングマザー希望者として注目したいのは、「政府は多様な働き方の推進とともに多様な働き方に対応した子育て支援」、「地方自治体は地域の実情に応じ、育児・介護などを支える社会基盤づくり」をすることが明記されていることです。企業、国民がそれぞれワーク.ライフ・バランスを実現しようとしても、環境が整わなければ難しい。その環境を国と地方自治体が整えるというのですね。どのような施策が打ち出されるのでしょうか。
行動指針は、憲章で示す「ワーク・ライフ・バランスが実現した社会」を実現するため、国民、企業、地方自治体、国が取り組むべき具体的な内容を示しています。さらに数値目標、実現度指標も設定されるようです。例えば、「第1子出産前後の女性の継続就業率」を現在の38%から5年後45%、10年後55%に。
また、「6歳未満の子どもをもつ男性の育児・家事関連時間」を現在1日当たり60分から、5年後1時間45分、10年後2時間30分に、という数値目標もあります。これらを実現するには、個人の意志だけでなく、労働環境の支援が不可欠です。各主体が一致団結し、環境を整えられるのでしょうか。
ワーキングマザー希望者としては、企業、国、地方自治体がワーキングマザーとその夫をどのように支援するのか、興味津々です。
仕事にライフスタイルを決められてしまう状況を打破できるよう、憲章と行動指針とそれを受けた企業、国、地方自治体の動きに注目です。そして、こちらからも制度、施策などを提案していきたいですね。