「ワークライフバランス」という言葉が、毎日のように新聞やテレビで取り上げられています。「ワークライフバランス」とは、「仕事と生活のバランス」のこと。欧米では普及している概念ですが、日本では、少子化への危機感から、2007年の「骨太の方針」に国策として謳われているものの、まだまだ浸透はしていないようです。
そこで、今日は、現在、ヨーロッパ系の航空会社にお勤めの石川ひろみさんから投稿いただいたレポートをご紹介いたします。石川さんは、現在、育児休業中でプチコペンというネットショップも営まれているアクティブなワーキングマザーです。北欧の女性の働き方、参考になりますね。
 
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昨今、日本でもジョブシェアリングという文字を目にする機会が増えてきたが北欧では、20年以上前から始まっているのではないか。
私は、ヨーロッパ系の航空会社に勤めているが、日本支社でもかれこれ12年前に、ジョブシェアリング制度が始まった。年俸の100%で仕事をする人、75%で仕事をする人、50%で仕事をする人。もちろん、お給料もその割合になる。でも正社員という待遇は同じ、年次有給休暇もその割合に減らされるのだが、育児をするものにとってはとてもありがたい制度だと思う。
日本でも「正社員の仕事はやめたくないが、仕事量は半分くらい減らしたいわ。」と考える人は多いのではないだろうか。もちろん、日本の法律には、その代わりに時短勤務があるのかもしれないが、それでは十分ではないと私は思う。それほど子供を育てるのは大変だと思う。現に私の周りでも、育児休暇から、皆いったんは復帰するが、子供の病気などで、会社を休みがちになり、やがて、「もう限界」とやめていくパターンが多いのが現実だ。
かくいう私も第一子が1歳のときに50%で職場復帰した。


復帰できるかどうかかなり悩んでいたが50%というジョブシェア制度があったから復帰できたと思っている。それでも家事が後回しになり、家庭に支障をきたすようになり、やめる、やめないでかなり悩んだ。そうこうしているうちに第2子を妊娠、出産、休職という運びになったのだが・・・果たして今後復帰の見込みは・・・。
余り深く考えないようにしている。考えてもしょうがないので。
北欧の女性の働き方はどうか。世界一女性が働きやすいというスウェーデンでは、子供が12歳になるまでジョブシェアで働ける法律がある。
子供が親の保護の元、健全に育つように国が法律で守り、社会が支えているという印象を受ける。また、女性も男性も同じ労働条件なのだから、育児休暇も交代で当たり前のようにとる。家庭でも母親をサポートする風土なのだ。
驚かされることに、キャリアアップのため、休職して専門学校などに通う人も多い。
北欧の女性の働きやすさをあげたらきりがないが、日本でも参考にできることはあるのではないだろうか。まず、ジョブシェアの導入である。50%のジョブシェアを導入するとしよう。今まで一人でしていた仕事を50%のジョブシェアの人が二人でする。会社は二人雇わなくてはいけないが、お給料も半分ずつなので、それほど負担が多いとも思わない。もちろん、子育て期が終わったら100%に戻るという前提で。会社にとっても有能な人の離職する人が減り、将来的にはメリットのほうが多いように思う。そして、あとはいかに男性の育児参加を促すか。男性の時短勤務だって当たり前の社会になっていけたら、日本も変わっていけるのではないか、いやそうなるべきだと私は思う。