2008年5月19日の読売新聞の家庭欄のタイトルに目がひかれました。大人にとって、子どもの前で涙を見せることに抵抗のある人は多いかと思います。記事には、札幌市で子育て中の親の会「親の時間」を主宰し、「子育て泣きたいときは泣いちゃおう!」の著書でもあるカウンセラー小野わこさんの「親にとっても、泣きたいときに泣くのは実はとても大切なこと」という指摘がのっていました。すっきりして、子どもと向き合う気持ちも生まれ、問題の解決の糸口が浮かぶこともあるということです。
実は私にも経験があります。上の娘のトイレトレーニングをしていた夏のこと。三歳を越してもなかなかうまくおむつがはずれなかったのです。毎日、6〜7カ所、床にそそうしてしまうのを優しくなぐさめながら片付けていましたが、ある時、「ねえ、どうして出る前にわからないの?」とつい責めてしまいました。娘は「だってわかんないんだもん」とわあと泣き出し、私も床をふきながら悲しくなってついぽろり。ひとたび涙があふれ出ると今度はとまらなくなり、娘と二人で泣いてしまったのです。今思い返すと、それからすぐにはずれたのですから、泣く必要もなかったし、もうちょっとゆったり構えていればよかったとも思います。それでも、もしかしたら、そのままたくさん怒ってしまうより、ただ二人で泣く、というのは悪くない解決方法であったのかもしれません。
「親も泣いていいと気付くと、子どもが泣いていてもゆったりした気持ちが持てる」と小野さんは話します。子どもの前で泣くことに抵抗がある人は、部屋にこもって、あるいは信頼できる人に気持ちを分かち合いながら、がよいようです。
親も子どもを育てる中で学んでいきます。最初から完全な親はいないと思いますし、子どもが三人になった今も自分自身は完全な親とは遠いな、と思いますが、今日より明日、素敵な親になれるよう努力していく中で、つい涙を見せてしまうことがあってもいいのかもしれません。この涙はいつか笑い飛ばせる思い出になる、と信じて、今日もがんばっていきたいです。
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「親の時間」ホームページ