いまや私たちの生活になくてはならない家電製品。
しょっちゅう買い換えるものではないだけに、いざ家電製品を買うときはじっくり吟味して納得のいくものを選びたいものですよね。

「納得のいく家電を選ぶ」、分かっていても実際にはなかなか難しいもの。
家電製品の選び方といえばまずはカタログを見たり、お店で実物を触ってみて自分のライフスタイルにあった性能かどうかを確かめたりすることでしょう。
インターネットの口コミサイトを検索して評判を参考するという方法もありますよね。
もちろん価格も気になるところです。同じ製品なら1円でも安く売っているお店で買いたいもの。

最近はポイント制を導入している量販店も多くポイント還元も考えるとお得なお店は…、うーん、難しい!

でももう一つ、家電選びに大切なポイントがあります。それは「アフターサービスの質」を吟味することです

以前、我が家で充電式掃除機が壊れたことがありました。
どうやら充電器部分がうまく作動しなくなった様子。早速A社のサービスセンターに電話したところ、
「お買い上げになったお店に持っていっていただけますか」と応対されました。

サービスセンターは修理窓口もかねており、我が家からも近いところにあったので
「そちらに持ち込んだり、宅急便で送ってはいけないのでしょうか?」と聞いてみたのですが、
「こちらでは直接受け付けはしておりません。修理品はご購入店からこちらへ送ってもらうシステムになっております」とのこと。
購入店→サービスセンター→購入店と転送されていたため、修理を終えた掃除機が私のところに戻ってきたのはそれから約2週間後のことでした。

それとは別にB社製の自動洗濯機が故障したこともあります。
B社のサービスセンターの応対はA社とは異なり、だいたいの症状をオペレーターに話した後の一言は次のようなものでした。
「サービスマンが最短で明日お伺いできますが、いかがでしょうか?」
まず「訪問ありき」という姿勢が感じられました。

同じ家電メーカーといえど、アフターサービスへの姿勢が大きく異なることに正直いって驚きました。
もちろん、製品の違いはあります。冷蔵庫や洗濯機は1日使えないだけで困りますが、掃除機ならしばらくなくても部屋が汚くなるだけ。なんとかはなります。

それに冷蔵庫や洗濯機はあまりに大きくて、そもそも自分で購入店に運ぶことはできません。
A社、B社の対応の違いは製品の違いによるともいえるのですが、消費者にとっては万一壊れたときに迅速に対応してくれるメーカーの方が信頼できるものです。
修理が仕事とはいえ最短で「明日」修理先の家庭を訪問するためには、それなりの人数の修理担当者を各地域に配置してなくては困難なはずです。
「売ったらおしまい」という姿勢のメーカーなら、消費者からはあまり見えない修理担当者に人員とコストを割いたりはしないはずです。

実はB社の洗濯機はその後もう一度故障したことがあるのですが、それでも我が家では「今度、家電製品を買うときはやっぱりB社製にしたいね」と話しています。
永遠に壊れない製品などそうはないですし、むしろ壊れたときに迅速に修理してくれることのほうが我が家では大切だからです。

アフターサービスの質を製品購入前に知るのは難しいことですが、こうした点もふまえて消費者が賢い製品選びをすることで、製品の質・サービスの質もより向上していくのではないでしょうか。(文/倉井美穂)