我が家の近くの国立病院は子どもを専門としています。先日、三歳の娘が寝る時にちょっと息が苦しそうだな、、と思い連れていったら、そのまま入院することになってしまいました。さっそくベッドに運ばれてきたレントゲンの機械には、きりんが描かれていました。アームの伸びる部分が首、映す部分は顔になっています。娘は眠さもあり泣いてしまいましたが、機嫌がよかったら、きっと興味しんしんで眺めたに違いありません。


病棟のベッドにうつり、看護婦さんが、入院の注意や転落防止についてのビデオを見てくださいと指し示すところを見ると、画面がありました。高さも方向も自由に変えられて、感じとしては、歯医者さんによくあるライトみたい。娘は、これを動かすのもすぐ気に入って、院内案内のページを何回も開くので、すっかり詳しくなってしまいました。テレビ番組も視聴でき、キー局のほかにキッズチャンネルも入っているので、ちょっと席をはずす時にありがたかったです。個室ではありませんでしたが、画面を見やすい位置に調整でき、音量も低くできるので、他のお子さんが見ていても気にならないほどでした。
ここは後日通院した時も、スーパーでよくみかける車の形をした子ども用ショッピングカートを院内ベビーカーとして使わせてくれたり、予約時間に行くと機器を貸出しして、院内で待てばいいか、待合室で待つべきかなどを指示してくれたりとストレスをできるだけ少なくし、楽しい気持ちで通院できる工夫がされています。
健康な人のために楽しいところはたくさんあるけれど、病気の時こそ、快適で少しでも気分が楽になる工夫が必要なのではないかと、常々感じていたので、これらの心配りは本当にうれしく感じました。
清算のために並んでいると、後ろの男の子が
「ここ、楽しいね。また来たい。」と親に話しかけていました。
また来られるのは困ってしまうかもしれないけれど、子どもにそう思われるくらい居心地がよい病院だということは、すばらしいことだなと思いました。(文/和田理恵)
文中の病院は国立成育医療センターです。