「父親の子育て参加」の必要性が社会的関心を呼んでいますが、みなさんのご家庭ではいかがでしょう?現実は、「子どもともっとふれあいたけど、仕事が忙しく毎日家に帰るのは子どもが寝静まってから…」というご家庭も多いのでは?
そんな中、「父親であることを楽しもう!」という理念のもと誕生したNPO法人「ファザーリング・ジャパン」が注目を集めています。今日は、4月24日に開催された、第1回Fatheringセミナーの様子をレポートします。会場は、六本木ヒルズアカデミーヒルズ「オーディトリアム」。平日の夜だというのに、会場は会社帰りと思われる男性とキャリアウーマン風の女性で埋め尽くされ、関心の高さが伺われました。
第1部は、代表者である安藤哲也さんによるNPO法人の紹介。まず、現在の日本の父親たちは、長時間労働を強いる会社と、子育て参加してほしいと願う妻たちのプレッシャーに挟まれ「ワーク・ライフ・バランス」に苦しんでいるという現実が問題提起されます。


そうした中、「父親たちが家庭・地域に還り皆で子どもを大切に育てる社会にしていくことで、お父さんたちが笑顔を取り戻し、母親と子どもにも安心と笑顔をもたらす」というお話がありました。「ファザーリング・ジャパン」は、その実現のために各種父親支援事業をすすめていくソーシャル・プロジェクトであるという説明に、会場の参加者も真剣な面持ちで頷いていました。
第2部は、「父親が子育てしやすい会社アンケート」の結果発表。第一生命経済研究所と共同で行われたアンケートとのことで、第1位は日立製作所、第2位は帝人グループ、第3位はトヨタ自動車と有名企業がズラリ。各社の表彰が行われ、各企業の方から、子育て支援策についての現状報告と、受賞の喜びのコメントがありました。
第3部はトークセッション。(株)ワークライフ・バランス代表取締役社長小室氏、日経キッズプラス編集長尾島氏、第一生命経済研究所松田氏と、話題のゲストが「日本のお父さんのいま、そして未来」をテーマにトークセッションを繰り広げました。
トークセッションは、会場の参加者を突然指名して登壇してもらうなど、予定調和ではない本音のトークに大盛り上がり。特に、前述の「父親が子育てしやすい会社」に勤務しながらも実際は深夜帰宅が多く「子どもや妻と触れ合う時間がないのが悩み」という会社員の方に会場から温か〜い共感のまなざしが!
また、学生や社会人になって数年の方など、若い男性の参加が多いのが印象的でした。若い人たちの既成概念にとらわれず自分らしい生き方を真摯に模索している姿に、明るい未来を感じました。
最後に、現役パパでもあるミュージシャンの西村氏によるウクレレ演奏と歌。子育ての素晴らしさをうたった「お父さんソング」の天使のような歌声に、会場も感動で静まり返り、その後、拍手の渦。
全体を通して感じたのは、もっとも大切なのはもちろん個人や企業の意識付けだけど、意識付けだけでは現状を改革するのは難しいということ。私自身は、「少しでも父親が金銭的にも時間的にも会社から解放されて楽になってほしい」という理念のもと、子育て中の女性の在宅ワーク支援や、ゆくゆくは、男性の在宅ワーク支援にも取り組みたいと強く思わされました。
第2回Fatheringセミナー「育休パパに学ぶ、ファザーリングの極意」も5月31日開催予定。参加には事前予約が必要とのことですが、「父親の子育て」に興味のある皆さん、ぜひ参加されてはいかがでしょう?きっと得るものがあるはずです。(取材/常山あかね)