昨日、厚生省の国立社会保障・人口問題研究所より、第13回出生動向基本調査結婚と出産に関する全国調査「夫婦調査について」が発表されました。
結婚15〜19年の夫婦の出生児数は、これまでの2.2人前後から、2.09人に減少。理想の子どもの数は2.4人と、はじめて2.5人を下回ったそう。また、子ども3人を持った夫婦の割合が減り、1人っ子、子どもなしの夫婦が増えています。1960年代生まれの母親の出生力が低下しているという興味深い結果も!
実際に子どもを産むつもりの予定数(2.11人)が、理想の子ども数を下回っているおもな原因は、
「子育てや教育にお金がかかりすぎる(65.9%)」を筆頭に、「高年齢で産むのはいや」「育児の負担に耐えられないなど」。また、「自分の仕事に支障がある」「夫の協力が得られない」などの理由も少なくありません。
出生力が低下している顕著な世代である1960年代生まれの私としては、周りの友人を見渡して、少子化解消の鍵を握るのは、「仕事」「お金」「夫の育児参加」ではないかと感じます。
つまり、企業に勤務している女性は仕事のキャリアを失いたくなく、一方、仕事に就いていない女性は、教育費など子育てにかかるお金に不安を感じています。また、男性がおもな稼ぎ手になっている多くの家庭では、男性の育児参加の時間は、物理的にほとんどありません。(特に平日!)
そして、3人以上の子どもを持っている女性に、SOHOスタイルでの自営業や会社経営者(起業家)が多いという事実にも、気付きました。


私自身は、長男が産まれてから、ずっとSOHOスタイル(自営業)で仕事をしてきました。今は、3人の子どもがいます。子どもが2人のころは、「私もいつかは社会復帰して、都心で働きたいなぁ」と密かに会社勤めにも未練を持っていましたが、子どもが3人になった時点で、「会社員としてやっていくことは物理的に無理!」と気持ちが吹っ切れ、SOHOスタイルで仕事をしていく覚悟のようなものができました。
実際に、このワーキングスタイルで仕事をしてこなかったら、近くに実家があり親の支援が受けられるわけではない状況で、働くこと自体が困難でした。今後も、このスタイルを続ける限り、無理なく仕事も子育ても両立できる気がしています。
そこで、このワーキングスタイルを広めることで、少子化が解消されるよい循環ができるのではと思いました。「女性がキャリアを生かして仕事を続けることができる→金銭的に余裕が出る→夫が過剰な労働から開放され子育に参加できる」という構図です。
多くの方の参考になるようにと、7月から連載を開始する「3人で行こう!〜仕事も子どももあきらめない」のインタビューでは、子育てと仕事を両立できる独自のワーキングスタイルを実践されている方々から、お話を伺うことができました。
こどもの本のみせ「ともだち」のスタツフ中村朝子さん、イタリア食材の店「トスカニーワインハウス」店長吉田亜樹子さん、授乳服「モーハウス」代表の光畑由佳さん、画商会社「アークコーポレーション」代表の山中満子さん、そして、本日取材させていただくのは、新著『未妊』が話題のお産ジャーナリストの河合蘭さん。これからも、色々な方のワーキングスタイルを紹介させていただくことで、この潮流が少しでも広がればと願っています。