「満足できない女たち アラフォーは何を求めているのか」
いわゆるアラフォーの私が、数年前、はじめて出産したときに感じたのは、
赤ちゃんとの生活ってなんて大変なんだろうということでした。
3時間ごとの授乳で常に寝不足、ずっと抱っこでろくろく出かけられず、
なんだか座敷牢のような生活。
でもストレスの本当の原因が赤ちゃんのせいではないことに、自分でも
うすうす気づいていました。
つらかったのは赤ちゃんのお世話で自分の時間がまったくとれず、
自分を高めることができなかったということ。
でも、自分を高めるっていったい何だったのでしょう?


私はとにかくやりことが山ほどあるタイプ。
仕事をしたい、本を読んで知識を高めたい、料理もして新しいメニューの
1つも増やしたい、最近話題のレストランにも行ってみたい、気になって
いる習い事だって2つや3つはあるし、お金をかけなくていいから
おしゃれにしておきたい、それから週に1回は水泳とかエクササイズを
して体をリフレッシュしておきたい….etc。
と、まあこんな感じ。
「自分を高める」の内容が広すぎるというか、あまりにも漫然としている
ので自分でも笑ってしまうのですが、とにかくスポンジのように
いろんなことを吸収していることが大好きなのです。
とはいえ、自分を高めたい欲求は人間の本能みたいなものよねと
思っていたら、なんとアラフォーの特長でもあったとは!?
本書「満足できない女たち アラフォーは何を求めているのか」ではアラフォーの定義に始まり、アラフォー世代の就職や結婚、出産についての実例と社会的背景が綿密な取材のもとで語られています。
自分ではてっきり社会標準だと思っていたことが、アラフォー女性独特の
考え方だったり(アラフォーの友人はだいたい皆アラフォーなので
気付かなかった!)、本書に収められたアラフォー女性のインタビュー記事は
どれも自分か友人の姿を見ているよう。
本書の中で繰り返し出てくるキーワード「自分探し」もまさに自分にも
当てはまる言葉。自分探しには熱心でも「次世代のため」には興味なし、が
この世代の特長なのだそう。
「アラフォー女性は(中略)自分のやりたいことや適性の追求に熱心で、
次世代や女性全体のためではなく、みずからのアイデンティティの追求を
重視する傾向がある」との一節には思わずドキッ。自分への反省も込めて
唸ってしまいました。
理想の仕事を見つけても、結婚しても、出産しても、自分にはまだ何か
あるはず、と走り続けるアラフォー女性にはもちろん、
周りのアラフォー女性の走りっぷりが謎に思える方にもおすすめの1冊です。
ところで自分は、と振り返れば昨年40歳で第2子を出産。
まさにアラフォー出産を地でいく話です。
一人目に比べて育児が楽になった気がする今は、もっともっといろんなことが
できそうな予感(思い込み?)もあったりして…。やたら前向きと言われる
アラフォー世代の一人としてこれからも頑張るぞ!