今年の春ごろ、私の父に連れられて公園に遊びに行っていた息子(4歳)が、
迷子になりました。
父は青くなって、同じく連れてきていた5歳の娘の手を引きつつ、
必死に公園を探し回りましたが、見つからず。
30分以上父だけで探し回った後、私と夫に連絡があり、
2人も自転車で緊急出動し、公園やその周囲を必死に探しました。
結局、息子は父に黙って公園から出てしまい、
家とは全く逆の方向に歩いていってしまったようで、
その姿をみた方が保護してくださっていたのですが、
見つからない間は、様々な思いが心をよぎり、身が縮む思いでした。
また、保護してくださった方が、とても親切な方で、
本当に良かったと思います。
この時、息子を見つけるきっかけを作ってくれたのは、
必死に探し回る私の姿を見た年配の女性が、声をかけてくれたからでした。


「あなたの息子さんのような子が、この公園を出て
 あちら側の道路を歩いているのを見たわよ。きっと間違いないから、
 私がそこまで、一緒についていってあげる。
 私はそこで、息子さんに話しかけている、おじいちゃんの姿も見たの。
 おそらくその方が保護してくれているから、行ってみましょう」
その女性は、そう申し出てくれたんですね。
心から頭が下がる思いで、女性と一緒に息子が歩いていたという
道路まで行き、それがきっかけで、保護してくれたご家庭まで、
すぐにたどり着くことができました。
この女性の息子への関心がなければ、
息子は見つからなかったでしょうし、警察に届けるところまで
いっていたかもしれません。
1人で歩き続ける息子を見て不審に思い、
保護してあげようと思ってくださった方がいなければ、
息子はそのまま「家に着く」と思い込み、遠くまで
歩き続けてしまったかもしれません。
息子の迷子から、たくさんの方の無償の親切をうけ、
ありがたさが身にしみました。
息子が見つかって、ホッとした父は、
顔に安堵の色を浮かべて言いました。
「前に同じ公園で、迷子になっている子供を見つけた。
 泣きながら遠くから歩いてくるのに、周りの家族連れは誰も声を
 かけてやらなない。
 だから俺はすぐにかけよって、事情を聞いてやった。
 それから、一緒に親を探したけど、
“この子の親を探しているんですけど、誰かこの子を探している
 人を見ませんでしたか?”って、
 そこらじゅうの家族連れに聞いても、知らない、分からないって返事ばかり。
 それならいいんだけど、返事もしない人もいる。
 この無関心さは、いったい何だと思ったよ。
 だから、いい人に見つけてもらえて、気にかけてもらえて、
 本当に良かった」
と。
そういえば私も、大きな量販店で泣きながら歩いてくる子を見つけて、
一緒に店員さんのところまで、連れて行ってあげたことがあります。
その子は私が気づくまで、結構店の中を歩いていたはずなのに、
その間誰にも話しかけられなかったのかと、いぶかしく思いました。
子供を持つ親の心が痛むような事件が続いている昨今、
子供への教育はもちろんですが、万が一迷子になっている子を見つけたら、
気づいた大人が優しく話しかけ、保護してあげるということは、
絶対に必要でしょう。
様々な外出先で、どんなに気をつけていても、親が四六時中、
子供の動きに目を向けていられるかというと、正直100%は難しい。
だから、周りの大人たちが、親と同様に、注意をはらってあげなければ…と思います。