IT技術の進化と共に、現金以外での決済取引が多くなり、誰もがクレジットカードなどを持つ時代となった。
最近では、スーパーのレジで、財布の中を覗きながら小銭を探す人の姿も、あまり見かけなくなってきたように思う。
クレジットカードを使うと、現金で支払うよりポイントが多くつく店もあることから、財布の中には、数種類のカードが入っているという方もおられるだろう。
私が若い頃は、クレジットカードは、厳しい審査を通った者にだけ与えられるもので、一種のステータスというか、社会的地位をあらわすものだと認識していた。
初めてクレジットカードを持った時は、「これで自分も社会人として認められたのだ」と、少し、得意げに感じたものだ。
時代は移り変わり、今や、誰もがクレジットカードで、気軽に買い物をし、公共料金の引き落としをするなど利用範囲も広がり、便利になっている。
また、利用金額に応じて貯まったポイントは、景品に交換できたり、他社へ移行したりと、クレジットカードは、付加価値の大きいものへと変化している。
クレジットカードには、買い物以外に、キャッシング機能がついているものもあり、利用限度内の金額で、簡単にお金が借りられ、気軽さに一層、拍車をかけている。
安易なクレジットによる買い物や、生活の変化から支払困難になり、一時的にと思ってキャッシングを利用するが、返済のために借金を繰り返し、多重債務に陥る人も少なくない。
多重債務問題の対策として、今回の割賦販売法の改正により、クレジット業者に対し、購入者の支払い可能と見込まれる額の調査が義務づけられ、その額を超える契約は締結できないようになる。
また、若い人の中には、カードについているキャッシングの利用限度額の枠を貯金と勘違いしている人もいると聞き、金銭教育の必要性を感じる。
また、クレジットカードで商品を分割で購入した場合の手数料、キャッシングの利息についても安易に考えがちではないだろうか。
貸金業法の改正により、年収の3分の1を超える貸し付けなど、返済能力を超えた貸付の禁止。また、グレーゾーン金利を廃止し、出資法の上限金利が年利20%に下げられる予定である。
クレジットカードを持っていると、財布の中は軽いし、便利な事も多い。
しかし、後払いということもあり、現金のように、その場で増えたり減ったりする感覚がつかみにくいと思う。
収入・支出をきちんと把握し、不意な生活の変化もあり得る事も考えながら、上手に利用する必要がある。
何といっても、身の丈に合った暮らしをしていくことが大事なのではないかと思う。
コメント