「10分ほどお時間をいただけますでしょうか」。
カフェで注文したとき、こう言われたとします。
会計を済ませると、「あちらの席でお待ちください」と言われ、小さなカップでジュースがサービスで出されました。
しばらくジュースを飲んで待っていると、店員さんが注文の品を席まで持ってきてくれて、「お待たせして、申し訳ありませんでした」のひと言を添えられました。注文してから8分が経っていました。


5分少々お時間が掛かりますが、よろしいでしょうか」。
こう言われて会計を済ませました。
少し離れた場所で待っていますが、7分経っても注文品は出てきません。
「〇〇をお待ちの客様」。
8分経ったときに店員さんが大きな声を出しました。
自分のことだと気付き、カウンターに行きます。
「お待たせいたしました」と声を掛けられ、品物を受け取ります。
さて、同じ8分の待ち時間を過ごすのに、どちらの応対が好ましいでしょうか。
前者の場合は、景色を眺める、次の休日に思いをはせるなど、待ち時間を有効に使うことができるかもしれません。
一方後者の場合は、イライラしながらひたすら時が過ぎるのを待つことになるでしょう。
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サービスを提供する側の待ち時間解消のための工夫はさまざまですが、先の例で分かるように、ちょっとした心遣いで顧客の心理状態は180度変わります。気持ちよく待ち時間が過ごせる対応をしてくれる店を探したいものです。
また待つ側も、待ち時間を楽しむ心の余裕を持って、お店との関係も自分自身の心理状態も良くしたいものです。忙しい1日の中で“待つ”という余裕の時間を持てたことに感謝できるほどになれば、大人の優雅な女性になれると思うのですが……。