ガソリンをはじめとして、あらゆる物価が値上がりしています。食料品や生活雑貨などの生活必需品への影響が大きいため、生活を直撃。家計のやりくりに頭を痛めている方も多いことでしょう。
私ももちろん、その一人です。財布の中身を眺めてはため息の毎日。でも、ちょっと考えてみたのです。平成不況期は、インフレより質が悪いとされるデフレスパイラルの中で、物価は下がり続けました。
消費者物価指数(総合指数)は平成11年から17年までほぼ毎年下がり続け、18年には前年比で0.3%上昇したものの、19年は前年比横ばいとなっています(総務省 平成19年平均消費者物価指数の動向より)。私はこの状況に、家計的にはうれしい反面、気味悪ささえ感じていました。
ガソリン高騰やバイオ燃料の問題などに端を発する今の物価高基調はあまり健全とはいえませんが、これまで価格が下がり続けていたことも異常だったのです。ならば、この物価高をあまり特別なこととしてとらえず、平然と受け流すのが賢い消費者なのではないかと思うようになりました。
生活を直撃する物価高に際して私が実践していることは、高いと思うものは買わない、嗜好品の量を減らす、レジャーは安・近・短で楽しめるところを探すなど、当たり前のことばかりです。自分や家族にガマンを強いることになりますが、家計のやりくりとは本来そういうものだとふと気付いたのです。お金の有り無しや外的要因にかかわらず、家計のやりくりは毎日すべきことです。毎日のことを普通に淡々とこなせばいいのだと思ったら、肩の力がふっと抜けました。
消費者が騒いだりマスコミがあおったりするために、なおさら値上げに拍車がかかるのではないでしょうか。経済の主役たる消費者が騒ぎ立てると、不安感は増大します。それよりも、冷静に対処する賢い消費者になるのが得策のような気がします。
平常心、平常心。嵐はいつか過ぎ去るもの。家計やりくりのスキルを磨くチャンスと割り切って、今しばらくはこの苦境を楽しんでみることにします。(文/清水純子)
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