健康食品に関する商品の情報は、主に、新聞や雑誌の広告、テレビのCMなどから得る事が多いと思いますが、「健康食品とは、どういうものか」については、あまり情報が伝わっていないのではないでしょうか。
現在、健康食品には明確な定義もなく、「食品」としてしか法律の規制は受けません。あくまでも「食品」なので、効能・効果をうたうことは、薬事法で禁じられています。著者は、健康食品の安全性・品質、有効性や誇大広告、過剰摂取などの問題点を指摘するとともに、「あなたにとって、その健康食品は本当に必要ですか?」と、問いかけています。また、普段の食事をきちんととっていれば、健康食品に頼らなくてもいいのでは、とも。


本書では、50品目(トクホ含む)の健康食品を取り上げ、科学的な実証データの有無(トクホは国の審査済み)を示しています。さらに、著者自身が消費者問題や「食育」に長く携わった経験や生活者としての視点から、それぞれの健康食品が必要かどうかを、丁寧にわかりやすく解説しています。
また、消費生活アドバイザーである著者が、商品についての疑問をメーカーに問い合わせる中で、「お客様相談室」の在り方についても考えさせられたとのこと、契約・販売方法に問題がある健康食品など、違う視点からの記述も興味深いものがありました。

※トクホ…特定保健用食品。健康増進法第26条第1項の許可又は同法第29条第1項の承認を受けて、食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品。


最後には、「健康食品に頼らない食生活」として、具体的なアドバイスもあり、この本を読むことが、食生活を見直すきっかけになるかとも思います。
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