1月27日の日本経済新聞(朝刊)に、「小児救急電話相談 #8000 人手不足の中で奮闘」という記事がありました。小児救急電話相談は、夜間や休日の急な子供の病気にどのように対処したらいいのか迷った時、小児科医、看護 師に電話相談できるというもの。「#8000」をプッシュすると、利用者が住んでいる都道府県の相談窓口に転送されます。「病院に駆け込む前に、専門家の アドバイ スを受ける」ことができるのです。小児救急が深刻な医師、看護師不足に悩まされる中、小児救急病院をコンビニ感覚で利用することが問題化したことから、厚生労働省の補助により全国42都道府県が実施しています。


同記事によると、日本医師会の調査では、夜間、休日の小児救急患者の9割は軽症。親が小児救急電話相談を活用することで小児救急現場の負担を減らせるのではないかと思うのですが、残念ながら利用者は少ないようです。広島県では子供が夜間救急病院にかかるケースは1日100〜200件に上る一方、相談電話は1日平均十 数件だそうです。
私は、利用者が少ない理由として、認知度が不足していること、深夜から早朝に利用できない都道府県が多いことがあげられると思います。
小児救急電話相談のPRはほとんどされていないのではないでしょうか。私は東京都に住んでいますが、小児救急電話相談(東京都では「母と子の健康相談室」)のPRは、母子手帳への記載と出産時に役所からいただいた育児サービス関連資料の中にPRカードが入っていただけだったと思います。これでは目を通す人は少ないでしょう 。両親学級や一ヵ月検診などでPRすれば、認知度は上がると思います。
厚生労働省HPによると、小児救急電話相談の利用時間は都道府県によりかなり差があります。19時から22時、23時までが多く、深夜から早朝に利用できるのは福島県、大阪府、大分県だけです。時間帯を広げるには人手が足りないのだと想像できますが、親としては 病院が閉まっている時間帯はいつでも利用できる、となった方が安心です。
小児科医不足が深刻化する中、少しでも負担を減らせるような取組みが活発になるといいですね。それにはもちろん、親の側も協力しなければなりません。間違っても、「昼間は混んでるから夜に行く」なんていうことのないように。小児科医が少なくなって困るのは、子供と親なのですから。