リーマンの破綻で世界が揺れている。メリルリンチが買収されたこともセンセーショナルなニュースだった。
まさしく栄枯盛衰。いかに堅固で強大に見えるものも、必ず終わりはくる。冷静に考えれば、「歴史は繰り返す」、ただそれだけのことである。


とはいえ、世界同時株安、連鎖倒産など、先行きへの不安は広がるばかりである。アメリカの証券会社など自分には関係がないと思っていても、意外なところに関連性はある。リーマンに多額の債権を抱えている銀行に預金をしていれば、途端に人ごとではなくなる。リーマンの傘下企業の関係者は、雇用不安にさらされるかもしれない。
昨日まで予想もつかなかったことが、今日現実になる時代である。何を信じればいいのか分からない。風評に惑わされず、アンテナを広くして情報を集め、自分で判断するしかない。不安がっていても始まらない。
先日母に、「私は将来、果たして年金が受け取れるのかな」ともらしたら、「もらえないにしても、そのときは周りのみんながもらえないんだから、あなただけが特別なわけじゃない。大きく世間からはみ出していなければ、何とかなるわよ」と言われた。
高度成長期と2度のオイルショックを経験してきた強さからくる言葉なのであろう。ふっと肩の力が抜けた。
バブル経済とその崩壊、平成不況。そして先行き不透明な今。こうした時代を過ごしている私は、将来、母と同じような強さを果たして持てるだろうか。