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一生でいちばん高い買い物であるマイホーム。長期に渡るメンテナンスが必要だからこそ、きちんとした会社から購入したい、と皆さん思うのではないでしょうか。
我が家も10年ほど前に木造2階建ての建売住宅を購入。購入にあたっては、施工も仲介も大手企業という点をポイントとし、事前に1級建築士に調査をを依頼するなど、慎重を期して購入したつもりでした。

ところが・・・最近、市役所から1本の電話がありました。なんでも、我が家の住んでいる住宅が、壁の強度が足りないことが発覚。行政指導により、筋交いを補強する工事を施工業者にしてもらう必要があるというのです。姉歯建築士のマンション耐震偽装事件が世間を騒がせたときも、まさか自分には関係ないだろう・・・と思っていたのに。


経緯を確認したところ、その業者の施工した住宅が、建築基準法に照らし合わせると、若干ではあるが壁の強度が不足してい
たことが発覚したのです。当初は、対象住宅は数百件と公表されましたが、実際は、千数百件もの住宅が、補修工事の対象でし
た。

市役所に、「一級建築士の検査もいれたのに、なぜ購入時にわからなかったのか?」
と質問したところ、建築士による構造計算のミスなので、図面や申請書類を見た限りでは、すぐにわかるものではないとのこと。

そうなると、素人である消費者には到底見抜けるはずもなく、今回は、偶然にも強度不足が判明しただけの話で、これらのことは、氷山の一角、といえるのではないでしょうか。
今回補強工事を無料で受けられること自体は、不幸中の幸いというか、とても運がよかったといえるでしょう。補強工事では、筋交いを1本追加するだけとのことでしたが、施工業者より耐震基準や構造計算について丁寧な説明があり、おまけに、工事をした部屋は、天井、壁、床ともに新品になり、リフォームをしたようにピカピカ。子供たちも大喜びでした。 

住宅は一生の買い物。それだけに、消費者は、一生懸命時間をかけて調査し、思い入れを込めて、住宅を購入しています。素人ではなかなかわかりにくい商材だからこそ、企業の信頼やブランドが重要です。このような事件は起きないに越したことはありませんが、もし起きてしまった場合どうするかで、企業の真価が測れると思います。私のこの企業への信頼は、今回の対応を通して、アップしました。

不祥事を信頼に変えるのは、対応の仕方一つなのだと、実感させられる出来事でした。(文/常山あかね)