020962.jpg電気事業法の改正により、2016年(平成28年)を目途に、電力の小売業参入が全面的に自由化される予定です。これまでにも、段階的に工場やデパート・オフィスなどへの部分的な電力自由化は行われていますが、家庭部門等においては、国の規制が残されたままでした。近い将来には、各々のライフスタイルに合わせて、地域の電力会社(一般電気事業者)や新電力(特定規模電気事業者)などの中から事業者を選び、契約することができるようになります。


今まで、電力会社を選ぶことがなかったせいか、あまり意識することもなく、住んでいる地域の電力会社から電気の供給を受けてきました。また、引っ越しをした際も、その地域の電力会社がすぐに電気を供給してくれます。それは、現在、北海道から九州・沖縄まで10社の電力会社による地域独占が認められており、電力会社には、それぞれの地域で電気の安定供給の義務が課せられているからです。ところが、今後は電力会社の選択肢が増え、同じ地域に住んでいても、Aさんは○●社、Bさんは□■社と契約する、というように変わっていくことが予想されます。
一方、日本の電力供給体制は複雑な仕組みになっているのが現状のようで、電力システム改革により、電力の小売全面自由化に伴う一般電気事業者制度の見直しとあわせて、電気事業類型の見直しも段階的に行われていくそうです。(具体的には、電気事業を「発電事業者」「送配電事業者」「小売電気事業者」に再分類する等)。
電気は生活に欠かせないエネルギーとなっており、電力の小売全面自由化といっても、電気料金や安定供給の確保など検討すべき課題は多いと思います。また、様々な事業者や多様なメニューも登場するのではないかと予測されますが、消費者が適切な判断をして安心・安全で暮らせるように情報提供をしていただきたいと考えます。消費者も、自らアンテナを張って情報収集に努めたいものですね。
<参考>
電気事業制度について:経済産業省資源エネルギー庁
電力小売市場の自由化について(PDF):経済産業省資源エネルギー庁